経営判断

企業における「経営判断」について考える機会も多く、先般参加した行政書士の方々との勉強会にて、「企業の法務部門とは？」というテーマの中で「取締役の責任と経営判断の原則」について発表させて頂きました。

取締役は、会社に対して善管注意義務を負い、同義務に違反し会社に損害が生じた場合には、その損害を賠償する責任を負います。
一方、企業の経営において一定のリスクは不可避であるため、経営判断において取締役の裁量が広く認められており、
●1. 判断の前提となる「事実の認識」に不注意な誤りがなく（⇒情報収集・調査・検討等が合理的に行われており）、
●2. その事実に基づく判断の過程、内容に著しい不合理がない場合は、
善管注意義務違反とは評価されません（⇒「経営判断の原則」）。

合理的な経営判断と評価されるためには、取締役は判断の前提となる「事実の認識」のプロセスにおいて、情報収集・調査・検討等を適切に行わなければならず（上記1.の対応）、企業の社会的責任の幅が広がる中、より徹底した対応が求められていると感じます。
経営判断に限らず、物事を判断する場面や課題解決の場面でも、必要不可欠な対応です。

適正な「事実の認識」のプロセス、改めてその重要性を意識しました。